現場の「データがつながらない」を解決する 

IoTミドルウェアで「OTとIT」をつなぐ 

OTとITの断絶

製造現場でよくある「データがつながっていない」問題。手作業による記録漏れ・属人化・コスト管理の見える化ができない・品質トレーサビリティの欠如、これらの多くは工場設備(OT)と業務システム(IT)が断絶していることが要因となっている場合が多くあります。

IoT、DX、デジタル化など現場の環境は大きな変遷を遂げてきました。
一方、「その日の生産情報を現場担当者が紙に書いて、後でエクセルに入力」 多くの製造現場では、未だにこんな風景が繰り広げられていることも事実です。 

記録漏れ、転記ミス、ベテランが休んだら誰も状況を把握できない。
どこでコストが膨らんでいるか把握できていない。
品質トラブルが起きても、原因をさかのぼることができない。
これらの問題はバラバラに見えて、実は一つの根本原因にたどり着きます。
工場の設備データ(OT)が、業務システム(IT)と『つながっていない』ことです。 

この記事では、製造現場が抱える5つの典型的な課題を整理した上で、OTとITの断絶を解消するIoTミドルウェアをご紹介します。 

製造現場が抱える課題

製造現場の課題は企業や環境によって様々ですが、現場の声を聞くと共通して、以下の5つに集約されます。 

1. 製造工程の管理を人手で行っている

「ラインの状態を確認するたびに、担当者を呼ばないといけない」

センサーや設備からの出力データをリアルタイムに自動取得できず、担当者が確認して手動で記録する。
このような運用には根本的に限界があります。

なぜ起きるか

設備とシステムが連携されていないため、データが「孤立」した状態にある。

放置すると、どうなるか
  • 記録漏れや転記ミスが常態化し、異常の発見が遅れる
  • その場対応が続くことで、慢性的なロスが積み上がる
  • 俯瞰したデータ・工程管理ができない

2. 担当者によって管理にばらつきがある

「あの人がいないと、どのラインがどういう状態かわからない」 

熟練担当者しか知らない『経験値/個人のスキル』が、工場の競争力を左右する。 

なぜ起きるか

標準化されたデータ収集・共有の仕組みがなく、個人のスキルと経験に依存している。

放置すると、どうなるか
  • 定年退職・離職による技術継承の失敗 
  • 引き継ぎコストの増大
  • 新人育成期間の長期化
  • 属人対応の常態化 

3. 省人化・少人数運用を進めたい

「優秀な技術者の確保が大変。無駄をなくし小規模でも回せる仕組みにしたい」 

少子高齢化による労働力不足、採用難、人件費の上昇など、製造業は今、人手に頼らずに生産性を維持・向上させるという命題に直面しています。 

なぜ起きるか

監視・確認・記録といった反復業務を自動化できておらず、そのため改善点を把握できていない。

放置すると、どうなるか
  • 現場担当者の負担が増え続け、離職率の悪化にもつながる 
  • コスト・工程の最適化が困難
  • 最終的には生産能力そのものが低下する 

4. 工程コストを見直したい

「コストを見直すべきなのはわかっている。でも、どこで何が原因なのかが見えない」

工場全体のコストは把握できても、どの工程・どの設備・どの時間帯にムダが発生しているかが見えない状態では、改善のメスの入れようがありません。 

なぜ起きるか

稼働データ・歩留まり等の工程データ・エネルギーデータがバラバラに存在し、横断的な分析ができていない。

放置すると、どうなるか
  • 利益を圧迫するボトルネックが温存され続ける
  • 改善施策が「感覚頼み」になり、投資対効果が測定できない
  • 場当たり的な改善はできても、長期的な改善ができない

5. 品質トラブルの要因がわからない

「不良品が頻出している。でも、いつ・どの工程で・何が起きたのかを追えない」

品質問題が発生したとき、原因を特定して再発を防ぐにはトレーサビリティが不可欠です。しかし多くの現場では、製造時のデータが残っていない、または残っていても追いかけられない状態にあります。

なぜ起きるか

製造条件・設備状態・ロットデータが統合されておらず、事後的な追跡が困難。

放置すると、どうなるか
  • 同じトラブルが繰り返される
  • 顧客信頼の喪失
  • 対応コストの増大

OTとITの断絶

上記5つの課題に共通するのが、OT(Operational Technology)とIT(Information Technology)の断絶です。 

OT・ITで取り扱うデータ例

OTデータ(工場側) PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラー)からの取得データ 
各種センサー値 
設備の稼働ログ 
温度・圧力・電流などの個別データ など 
ITシステム(業務側) 生産管理システム(MES) 
ERPシステム 
BIツール 
クラウド監視ダッシュボード など 

設備は動いており、データは出力できる。しかしそのデータが業務システムに届いていないため、現場の状況がリアルタイムで把握できない。これがOT・IT断絶の本質です。 

IoTシステムの構築には、クラウド、ネットワーク、セキュリティ、そして個々のデバイスの技術を理解した上でのシステム構築が必要になりますが、この全てを理解してシステムを構築できるマルチな技術者は圧倒的に少ないのが現実です。 

データをつなぐ


収集


保存


制御


連携

ゼロから作り込まずに、現場課題を改善

OTとITをつなぐためにシステムをゼロから作り込む必要はありません。
IoTミドルウェアを活用することで、既存の設備や環境に合わせた柔軟なシステム連携が可能になります。

またIoTミドルウェアの役割は、OT側・IT側それぞれにメリットがあります。

  • OT畑の技術者:苦手なIT領域を簡単に扱える(クラウド・サーバへのデータ送信)
  • IT畑の技術者:苦手なOT領域を簡単に扱える(PLC・センサー等からのデータ収集)

弊社のIoTミドルウェア SpeeDBee Synapse(スピードビーシナプス)は、各種設備・センサーからのデータ収集、リアルタイムなエッジコンピューティングでの分析、グラフでの可視化、上位システムへの連携までを一元的に担うミドルウェアです。多様な通信プロトコル対応・データの取りまとめ・ルーティング・イベント処理・制御といった複雑な処理を担うため、ゼロからアプリケーションを開発する場合に比べ、開発コストの縮小も期待できます。

後付け・既存設備への対応

「うちの設備は古い」「ベンダーが違うから機器連携できない」 

そんな心配もあるかもしれません。SpeeDBee Synapse(スピードビーシナプス)は既存設備の構成に応じて後付けができますので、現行の設備をそのまま活かしながらIoT化を進めることも可能です。 

参考記事

工場設備や各種センサーのデータをITシステムへ連携するには、機器ごとの通信プロトコル対応が不可欠です。弊社はマルチプロトコルに対応し、OTとITをつなぐデータ収集・可視化・エッジ分析基盤を提供します。

続きを見る

IoTミドルウェア「SpeeDBee Synapse(スピードビーシナプス)」は、多様な製品との連携に対応しています。

続きを見る

IoTミドルウェアの活用

データが現場から業務システムへ届くまでの流れは、大きくわけて3ステップあります。 

OT(現場)データとIT(業務システム)をつなげる3ステップ

データ収集

PLC・センサー・機器からの多種多様なプロトコル(Modbus TCP・RTU、 EtherNet/IP 、MQTT)で設備データを収集

可視化

収集したデータをリアルタイムでグラフ・ダッシュボード表示。
現場担当者・管理者が即座に状況把握できる

連携

上位システム(各種クラウド、自社システム等)へ自動的にデータを転送。
業務との一体化を実現

データ連携を実現するIoTミドルウェアの機能

コレクタ

Modbus TCP/Modbus RTU PLC EtherNet/IP RTSPカメラ連携 MQTT 

リソース(稼働マシン状態) 演算(結果データ) カスタム(Python/C言語)

シリアライザ

JSONシリアライザ CSVシリアライザ カスタム(Python/C言語)

ロジック

イベントデータ・トリガ 基本統計 FFT 移動平均 
データ変換(配列分解・ビット変換・データ名変更) カスタム(Python/C言語)

Web-API

SQL (Grafana/Excel連携) 

エミッタ

MQTT File保存 AWS IoT Core送信 Azure IoT Hub送信 
FTP/FTPS/SFTP送信 カスタム(Python/C言語)

アクション

シェルコマンド メール送信 PLC書き込み Modbus書き込み EtherNet/IP書き込み 
MQTTクライアント カスタム(Python/C言語)

接続先例

クラウド連携 オンプレ連携 BIツール連携 AIツール連携 生成AI・LLM連携

制御例

アラート通知 信号灯点灯 機器のオン・オフ制御など

製造業 IoT 導入事例

メッキ洗浄工程の自動化で省人化とコスト削減を同時に実現 

あるメッキ工場では、洗浄工程の管理を長年にわたって手動で行っていました。担当者が定期的に直接洗浄槽の濃度を確認し、手動で給水管理をする運用です。 

SpeeDBee Synapse(スピードビーシナプス)の導入によって、洗浄槽の濃度・工場環境データをリアルタイムでモニタリングすることが可能になりました。異常時には自動でアラートが発報される仕組みを構築し、巡回確認の工数、上下水道の使用量の無駄を大幅に削減しながら、品質の安定化も同時に実現しました。

「センサーでリアルタイムにデータを計測→データで判断→自動で制御」という流れで、OTデータをIT領域で活用する仕組みを構築し、取得したデータを有効活用しています。

洗浄槽の電気伝導率をIoTセンサーで監視し、給水管理を自動化。属人的な判断を排除し、上下水道コスト削減と現場作業負担の軽減を実現した事例です。

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OTデータのIT領域での連携・活用は、現場の見える化、生産性向上、業務最適化を実現し、データドリブン経営やスマートファクトリー化を加速します。

現場の課題やお困りごとがございましたら、ぜひお気軽に弊社までご相談ください。

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