【製造業IoT導入事例】メッキ洗浄工程を自動化
OTデータ活用で省人化とコスト削減を同時に実現

OT x IT で仕組みを構築
洗浄槽の給水管理を自動化することで、上下水道コストの削減と現場担当者の作業負担軽減を同時に実現した製造業の事例です。IoTセンサーからデータを取得し、そのデータを活用して自動化の仕組みをつくる基本の形は、様々な業種のそれぞれ固有な作業工程に応用可能です。
この事例では洗浄槽の濃度変化の目安となる電気伝導率データをセンサーで取得し、制御に活用することで、属人的な判断に頼っていた工程を自動化することに成功しました。
こんな課題を抱えていませんか?
製造過程で発生する洗浄工程の給水管理、薬液タンクの液量管理、工具の交換タイミングなど様々な現場課題の根本には、共通した構造が潜んでいます。それは「判断が人の経験や勘に依存している」という問題です。
水交換のタイミングが「経験頼み」になっている
洗浄を繰り返すうちに洗浄槽の濃度は徐々に変化します。濃度が高すぎれば水を給水し、洗浄に適した濃度まで薄める作業や、洗浄槽の水の入れ替えなど「適切な濃度」の判断基準が担当者の経験や勘に委ねられているケースは少なくありません。熟練担当者の感覚値は貴重ですが、その判断を言語化・数値化できないと、担当者が変わるたびに対応にばらつきが生じ、品質トラブルの原因にもなりかねません。
給水タイミングによるムダとリスク
判断基準が曖昧なまま運用していると、必要以上に頻繁に水を交換してコストが膨らんだり、逆に交換が遅れて適切な洗浄工程が行えないと、製品不良につながる可能性など、両方向のリスクを抱えることになります。「念のため早めに交換する」という保守的な判断はコスト増を招き、「まだ大丈夫だろう」という楽観的な判断は品質低下につながる、こんな曖昧な管理が現場を悩ませます。
監視・対応の作業負担が現場を圧迫する
水質のチェック、給水の操作、記録。これらをすべて人が行う場合、担当者は定期的に洗浄槽を直接確認する必要があります。他の業務と並行しながらの管理は、現場の負担を静かに、しかし確実に蓄積させていきます。少人数化が進む現場ではなおさら、こうした「ながら監視」の負担は見過ごせない問題です。
IoTセンサーと自動制御で、給水管理を仕組み化する
本事例で採用したアプローチは、「センサーでリアルタイム計測→データで判断→自動で制御」というシンプルな自動化の基本モデルです。以下の3ステップで、属人的な判断を自動制御の仕組みに置き換えました。
1. リアルタイムで水質変化を検知する
洗浄槽に設置した電気伝導率センサーが、水質の変化を常時モニタリングします。人の目視確認では難しい規則正しい周期計測により、わずかな濃度変化も即座に把握できます。
2. 閾値設定で自動で給水・停止する
取得したデータがあらかじめ設定した閾値を超えると、電磁バルブが自動で開き給水を開始します。水質が基準値に戻ると給水を自動停止。「いつ給水するか」の判断を、センサーとシステムが担います。
3. 管理者はモニタリング画面で状況を把握する
現場を直接確認するのではなく、管理者は画面上でリアルタイムの水質データと給水状況を確認できます。遠隔での状況把握と記録の自動化が、管理業務を大幅に効率化します。
自動化によって現場に生まれた3つの変化
このソリューションが効果を発揮する現場
以下の項目に当てはまる現場では、自動化による大きな効果が期待できます。該当する項目がある場合は、自動化の導入を検討することをおすすめします。
- 特定の工程管理を人手で行っている
- 担当者によって対応にばらつきがある
- 省人化・少人数運用を進めたい
- 工程にかかる運用コストを見直したい
- 品質トラブルが特定の工程で発生している可能性がある
「センサーで計測 → IoTミドルウェアでデータを収集・判断 → 設備を制御」という基本モデルは、洗浄槽の給水管理に限らず、薬液タンクの液量管理、温度管理、工具の交換時期の検知など、さまざまな工程に応用できます。
業種や設備を問わず、人の判断や経験に依存している定型的・反復的な作業がある場合は、自動化システムの導入を検討する価値があります。
工程の自動化、まずは仕組みを知るところから
「IoT活用」や「工程自動化」と聞くと、大規模なシステム刷新が必要なイメージを持つ方も多いかもしれません。しかしこの事例が示すように、既存の設備に後付けでセンサーを設置し、データを活用する仕組みをつくるだけで、大きな改善効果を得ることができます。
まずは「どの工程で、何を計測し、何を自動化するか」を整理するところから始めてみませんか?
現場の課題やお困りごとがございましたら、ぜひお気軽に弊社までご相談ください。

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